事故車は修理すべき?廃車すべき?整備士が教える判断基準と全損ライン

今回のテーマは「事故を起こしたとき車を直すべき?それとも廃車にすべきか?」です。

事故車って、修理したほうがいいのか廃車にしたほうがいいのか…基準がわからないよね。

今回は、金額の基準と整備士としての目線からわかりやすく解説するよ!
例えば軽自動車でも、ドア1枚の交換で15万円ほどかかります。しかもコロナ禍以降から毎年のように部品代がかなり上がっているので、「とりあえず直す!」とはなかなか言えない時代になっています。
その判断基準になるのが 「車両価格と修理費のバランス」 です。
結論から言えば、これは大きな目安になります

第三の選択肢?
え?事故車って売れるの?直さないと価値がないんじゃ…?

実は0円になることはあっても、こちらがお金を払うことはまずないんだ。事故車を専門に買い取る業者もあるから安心して!
中古車買取業者は、事故車をそのまま海外で再販売したり、オークションに流したり、部品をリサイクルしたりして再利用しています。だから事故車でも買取需要があるんです。
修理のときに中古部品を使うケースもあって、新品に比べて2〜4割安くなることもあります(旧車は逆に高くなる傾向あり)。海外でも日本車の部品は人気があるため、事故車でも買い取りルートはしっかり存在しています。
1. 修理か廃車かを決める金額の基準

この写真は交通事故で破損した軽自動車
パッと見ただけで「これは全損だな」と感じる方も多いでしょう。
そして「全損だ」と考えるとき、大きく分けて二通りの基準があります。
1. 金額面
エアバックの作動条件は車両速度と衝撃の大きさなんですが、このエアバックが作動しているということは、車にとってすごいダメージを受けていることに繋がります。(一部誤作動はあります。)
作動した場合、部品代+交換費用で高額修理になりえるので、車両価格を有に超えてしまいます。(軽自動車でも30〜50万)
2. 損傷箇所

・ドアの隙間が狭い・ルーフ(屋根)が凹んでいる→フレームが曲がっている。
・足回りが曲がりすぎていると部品交換をしてもタイヤの偏摩耗につながる。
・事故後にエンジンを動かしたままだとオーバーヒートにつながっている可能性もありえる。
この2つが「修理するか廃車にするか」を判断する大きなポイントです。
1-1 金額面から見る全損

修理費が車両価格(=事故前の価値)を上回ると、保険上は「全損」扱いとなります。
例えば軽自動車の場合、
といった具合に、ちょっとした外装修理でもすぐに2桁万円になります。
車両価格が低い軽自動車や年式の古い車では、こうした修理費が簡単に「車の価値」を超えてしまうため、金額面で廃車と判断されることが多いのです。
ここで重要になるのが「車両価格(時価額)」の考え方です。
- 自分で調べる方法(目安):中古車サイトで同じ年式・走行距離・グレードを検索して大まかな相場を把握する
- 保険会社の査定(正式な基準):アジャスターが「レッドブック」を使って事故直前の価値を算出する
1-2 損傷箇所から見る全損
金額的には修理可能でも、損傷箇所によっては安全性の問題から廃車を選ばざるを得ない場合があります。
代表的なのは以下のような損傷です。
- 骨格(フレーム)や足回りの損傷 → 修理しても性能や走行安定性を取り戻せない
- ドアや柱(ピラー)へのダメージ → 車体全体の強度が低下する
- ルーフ(屋根)の損傷 → フレームが曲がっている証拠であり、外装を直しても強度は戻らない
ルーフの周りは硬いフレームで守られています。
そのルーフが曲がっているということは、車の芯となるフレーム全体が歪んでいることを意味します。

ルーフの周りは硬いフレームで守られています。
そのルーフが曲がっているということは、車の芯となるフレーム全体が歪んでいることを意味します。
外装をきれいに直しても、ドアの締まりが悪くなったり、タイヤが偏摩耗したりと、事故前の状態には戻らないことが多いのです。
そのため実務上は「全損」と判断され、修理ではなく廃車を選ぶケースが多くなります。

一つの基準ってことで覚えておくといいよ!
2章 金額では割り切れない判断基準
2-1 気持ち・愛着で決める

事故を起こした車を「直す」か「廃車」にするかは、必ずしも数字や保険の基準だけで決められるものではありません。
オーナーの気持ちや愛着が大きく影響することもあります。
1. 思い入れがあるから直したい
「お金はかかるけど、この車じゃなきゃダメ」という依頼は実際にあります。
僕自身も、親の形見だからどうしても残したいという理由で、全損扱いの車を修理したことがあります。
金額的には明らかに廃車ラインでしたが、その車にしかない思い出があるからこそ直したい、という気持ちは強いんですよね。
2. 事故車は縁起が悪いから手放したい
正直、この考えの運転手さんもいます。
まだ走れる状態でも「心理的にもう乗りたくない」と廃車にするケースです。
「故障が増えた気がする」「良くないことが続いた」
たまたまかもしれませんが、車に関して“縁起が悪い”と感じるのは安全面にも影響します。
気持ちよく乗れない車に無理して乗り続けるより、手放すのも一つの選択肢だと思います。

初めて買った車を手放した時はすごく悲しくなったのを覚えているよ….

思い出が詰まっているとなおさらだよね。
2-2 迷わないための車両保険

もしものときに「直すか廃車か…」と迷わないためには、車両保険に入っておくのが安心です。
車両保険があると、こんな補償が受けられます。
- 修理費が高額になっても補償される
→ 例えば50万円の修理代がかかっても、車両価格の範囲内なら保険でまかなえる。 - 全損時には車両価格分が支払われる
→ 車が直せないと判断されても、保険金で新しい車を買う資金に充てられる。 - 自腹で数十万〜数百万を払うリスクを避けられる
→ 特に新車や高級車を買った直後に事故をした場合、保険がなければ大きな出費になってしまう。

確かに安心だけど、車両保険って高いイメージが強いな

「もし事故で全損になったら…」って考えたら安心感は大きいよ!
注意点
- 保険料は年式やグレードで変わるため、高額車ほど負担が大きい
- 年数が経つと車両価格(時価)が下がるので、補償額も減っていく
- 古い車に高い保険料を払うのはコスパが悪い場合も
車両保険は「高いから入らない」ではなく、「自分の車とリスクに合うかどうか」で考えるのが大切です。
僕のおすすめは 価格.comの自動車保険一括見積もり。
大手サイトで安心感があり、入力も簡単なので「自分ならいくらかかるか?」をすぐに確認できます。

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まとめ|事故車は「数字+気持ち+保険」で判断しよう
今回の記事では、事故を起こしたときに「直すべきか、廃車にすべきか」を整理しました。
- 金額面では、修理費と車両価格のバランスが基準になる
- 損傷箇所によっては、修理しても安全性が戻らず廃車を選ぶケースもある
- 気持ちや愛着で判断する人も多く、数字だけでは割り切れない
- 車両保険に入っておけば、いざという時に迷わず判断できる
結論としては、「金額」「損傷」「気持ち」の3つの視点で考えるのが大切です。
そして、もしもの時に備えるなら車両保険の一括見積もりやネット型保険の検討もしておくと安心です。