【初心者向け】エンジンオイルの役割・交換時期・選び方を徹底解説|車の寿命を左右する5つの働き


オイル交換はお金もかかるし時間も取られるし、車検の時にまとめてやれば大丈夫っしょ!

そんなタイオン君にはこの記事を読んで、エンジンオイルの大切さをちゃんと知ってほしい!
実はエンジンオイルは、エンジンの調子や車の寿命に深く関わる大切な存在です。
でも、「どれくらいの頻度で交換するのがいいの?」「放っておくとどうなるの?」といった基本的なことは、なかなか知られていません。
この記事では、エンジンオイルの役割や交換時期、交換しないリスクについて、
車に詳しくない人でもわかるように、イラストや例も交えてやさしく解説していきます。
1.エンジンオイルとは?その役割と重要性

エンジンオイルは、エンジン内部の金属部品をスムーズに動かすために使われる潤滑油です。
例えるなら、人間の血液のようなもの。
血液が酸素や栄養を全身に運ぶように、エンジンオイルもエンジンの中をめぐりながら、車の性能を支えています。
エンジンオイルには主に5つの重要な役割があり、どれも欠けてはならないものです。
1-1. 潤滑:金属同士の摩耗を防ぐ
エンジン内部では、ピストンやクランクシャフトなどの金属部品が高速で動いています。
オイルがないと、金属同士が直接こすれ合い、摩耗や焼き付きの原因になります。
エンジンオイルはその隙間に入り込んで滑りをよくして、摩耗や故障を防いでいるのです。
1-2. 冷却:エンジンの熱を分散
エンジンが動くと、燃焼によって数100℃の高温になります。
この熱がこもると部品が変形・劣化してしまいます。
エンジンオイルは、熱を吸収して外に逃がす役割も持っており、エンジンがオーバーヒートしないように冷却しています。
1-3. 洗浄:汚れを取り除きエンジンをきれいに保つ
エンジン内部には、燃焼によってススやカーボンなどの汚れが発生します。
オイルはそれらの汚れを包み込み、エンジン各所にたまらないように分散・吸着して取り除く働きをします。
古いオイルが黒くなるのは、この汚れを吸収した証拠でもあります。
1-4. 防錆:金属の腐食を防ぐ
エンジン内に水分や燃焼ガスが残ると、金属が錆びやすくなります。
エンジンオイルは金属表面を油膜で包み込むことで、空気や水分から部品を守る防錆効果も持っています。
1-5. 密封:燃焼ガスを閉じ込める
エンジンのピストンとシリンダーの間には微細な隙間があります。
この隙間から燃焼ガスが漏れるとパワーが落ちたり、燃費が悪化したりします。
オイルはこの隙間を油膜でふさぐことで、燃焼効率を維持し、エネルギーをしっかり伝える密封の役割も果たします。

むむ…..オイルは潤滑だけだと思っていた
2.オイルの種類と選び方
エンジンオイルはどれでも同じと思われがちですが、実は素材・粘度・目的によって種類が分かれており、車種や走り方に合わないオイルを使うと、燃費悪化やオイル漏れの原因になることもあります。
ここでは、オイルを選ぶ上で知っておきたい基本の「3つのポイント」を紹介します。
2-1. ベースオイルの種類(オイルの“素材”)
エンジンオイルの性能や寿命に大きく関わるのが、ベースとなるオイルの「素材」です。
オイルは主に以下の3つの種類に分類されます。
鉱物油(Mineral)
原油をそのまま精製して作られたオイルで、価格が安く旧車との相性が良いのが特徴です。
ただし高温になると粘度が低下しやすく、オイルの劣化が早いデメリットがあります。
主に旧車や過走行車、パッキンが鉱物油ベースに設計された車に使用されます。

鉱物油って古いイメージだけど、古い車にはむしろ安心して使えるんだよ。
■ 全合成油(Full Synthetic)
化学的に作られたオイルで、粘度の安定性や清浄性能、冷却性能に優れた高性能オイルです。
スポーツカーやターボ車、高出力エンジン車に推奨されることが多く、価格はやや高めです。
■ 部分合成油(Semi-synthetic)
鉱物油と合成油をブレンドした中間的な存在。
価格と性能のバランスが取れており、軽自動車やコンパクトカーなど日常使いに最適です
2-2. 粘度(SAE 規格)の見方

エンジンオイルのラベルに書かれている「0W-20」や「5W-30」は、オイルの粘度(硬さ/柔らかさ)を示すものです。
- 「W」前の数字:低温時の流れやすさ(寒冷地での始動性)
- 後ろの数字:高温時の粘度保持力(油膜の強さ)
例)「5W-30」の場合
→ 冬の冷えた朝でもある程度スムーズに流れ、高温時にはしっかり油膜を保てる中粘度のオイルです。

寒い地域は0W、暑い地域や長距離走行が多いなら5W-30みたいに、季節で使い分けもできるよ
2-3. 使用目的に合ったオイルを選ぼう
■ 同じ粘度でも「中身」が違う?
例えば、どちらも「5W-20」でも――
- 外車向けのオイル:密封性や洗浄性能を重視
- 国産車向けのオイル:燃費や価格を優先
…など、使用目的や添加剤の違いで性能がまったく異なります。

外車に国産向けの5W-20入れたら、エンジンの隙間からオイルが漏れたことがあったよ^^;
■ 実際にどう選ぶべき?
- 軽・コンパクトカー(街乗り中心):低粘度指定の部分合成油が基本
- 高速道路・山道・夏の長距離運転:少し高粘度の合成油で油膜維持
- 旧車・過走行車:鉱物油でシール類との相性を優先
- 輸入車やターボ車:必ず取扱説明書の指定粘度+規格を確認
■ 困ったときはプロに相談!
粘度・素材・目的…これらを自分で判断するのは難しい!
不安な場合は整備士やディーラーに相談するのが一番確実です。

ネットの情報を鵜呑みにしないようにね
3. エンジンオイル交換のタイミングとペース

エンジンオイルの交換時期は、車の寿命やトラブル予防に直結する大切なポイントです。
ここでは、「距離」「期間」「使用状況」「フィルター交換」の4つの視点から解説していきます。
3-1. 走行距離での交換目安
■ エンジン車の場合
5,000km(±1,000km)が一般的な目安です。
走行距離が増えるほど、オイルは汚れたり酸化したりして性能が低下します。
■ ハイブリッド車の場合
10,000km(±2,000km)が目安とされますが、実は要注意。
エンジンとモーターを切り替えて走るハイブリッド車でも、高速道路を多く走るとエンジンの稼働時間が増え、意外と早くオイルが汚れます。
3-2. 時間(期間)での交換目安
「あまり乗っていないから大丈夫」と思っていても、エンジンオイルは時間とともに劣化します。
- おすすめ交換ペース:半年~1年に1回
- 特に湿気や温度差がある環境では早めの交換が安心
乗らないまま放置すると、水分や酸化による劣化が進行してしまいます。
3-3. 使用状況による劣化リスク
■ 短距離走行が多い
- エンジンが十分に温まる前に停止するため、不完全燃焼が起きやすい
- 燃料や水分がオイルに混ざり、粘度低下や乳化、酸化が進みます
■ 渋滞が多い地域での使用
- アイドリング時間が長く、内部温度が高くなりやすい
- すす・燃料の混入が起きやすく、スラッジ(汚れ)が蓄積します
■ 長距離・高速道路を多く走る場合
- 高回転・高温状態が続き、オイルの酸化や劣化が加速します
- 燃料消費も多く、スス(カーボン)の発生量が増加

エンジンオイルを天ぷら油に例えると分かりやすいよ!
・低温で揚げる → 水分が抜けきらず汚れやすい(短距離)
・高温すぎる → 焦げて真っ黒(渋滞)
・何回も揚げ続ける → 酸化して油がダメになる(長距離)
まさに車も一緒だよね。
3-4. オイルフィルターも忘れず交換!
オイル交換時は、オイルフィルター(オイルエレメント)も一緒に交換するのがおすすめです。
■ なぜ必要?
- 古いフィルターを使い続けると、新しいオイルもすぐに汚れてしまう
- 汚れが溜まりすぎるとオイルの流れが悪くなり、潤滑不良の原因になる
■ 交換のタイミングは?
- エンジンオイル2回に1回の交換が目安
- できれば毎回交換してもOK(特に過走行車・高温環境では)

一部の整備士さんは「フィルターなんて紙だから効果ない」って言うけど…
メーカーが交換を推奨してるんだから、ちゃんと替えるのが普通だよね^^;
4. エンジンオイルを交換しないとどうなる?

第1章では、エンジンオイルが担っている5つの大切な役割を紹介しました。
オイルはただの“潤滑剤”ではなく、冷却・洗浄・防錆・密封など、エンジンを守る重要な働きを担っています。
では、そのオイルが劣化して役割を果たせなくなったら…?
ここからは、交換を怠ったときに実際に起こるトラブルやダメージを、1つずつ具体的に見ていきましょう。
4-1. 潤滑性能の低下 → 金属摩耗や焼き付き
交換されずに古くなったオイルは粘度が低下し、潤滑性能が大きく落ちます。
すると、金属部品同士が直接こすれ合って摩耗が進行し、最悪の場合はエンジン内部の焼き付き(故障)につながります。
また、摩耗が進むとシリンダー壁からオイルが燃焼室へ流れ込み、「オイルが減る・白煙が出る」などの症状が起きることも。

粘度の低下とは、オイルが「ヌルヌル→サラサラ」になるってことだよ
4-2. 冷却性能の低下 → オーバーヒートのリスク
オイルが本来持つエンジン内部の熱を吸収・分散する力が落ちると、高回転・長時間走行時にエンジンが高温になりすぎて、オーバーヒートやエンジンの焼き付きが発生します。
4-3. 洗浄性能の低下 → 油路詰まり・スラッジ発生
汚れを取り込んだまま古くなったオイルは、洗浄力がなくなるだけでなく、逆に汚れの元(スラッジ)になります。
エンジン内部の細い通路(油路)が詰まり、オイルが流れず局所的に潤滑不足や熱だまりが発生。
これにより性能低下や異音、最悪は焼き付きに至るケースもあります。
4-4. 防錆力の低下 → 内部でサビが進行
エンジンオイルは、金属表面を油膜で包み、空気・水分との接触を防ぐ防錆効果も持っています。
オイルが劣化してその機能を失うと、エンジン内部で金属パーツが錆びてしまい、回転抵抗・部品破損の原因になります。
4-5. 密封性能の低下 → 出力低下・異物侵入
シリンダーとピストンの間にオイルが入り込むことで、燃焼ガスを閉じ込める密封の役割を果たしています。
オイルが劣化してこの膜が弱くなると…
- 燃焼効率が下がり、出力低下や燃費の悪化につながる
- 隙間から異物が燃焼室に入り、ノッキングやエンジントラブルの原因になることも

全部のトラブルが一度に起きるわけじゃないけど、
どれか1つでも役割が失われると、エンジンにとっては確実にダメージになるんだよね。
5. オイル交換のタイミングを忘れないコツ

5-1. トリップメーターを活用しよう
メーター内にある「トリップメーター」は走行距離をリセットできる機能です。
オイル交換後にリセットしておけば、次の交換までの走行距離を簡単に確認できます。
5-2. オイル交換ステッカーを貼ってもらう
ガソリンスタンドや整備工場で貼ってくれる「オイル交換ステッカー」は、
前回交換日・次回の交換目安(距離 or 月)が書かれていて便利です。
- 半年以上経つと、たとえ走っていなくてもオイルは酸化・乳化が進みます
- 「ステッカーを見るだけ」で交換時期を思い出せるのは初心者にも心強い!

エンジンが温まる前にエンジンを止めると、水分が抜けきらなくてオイルが劣化しやすくなるよ。
半年以上放置してたらステッカーを見て思い出そう!
5-3. スマホで記録・通知するのもアリ
「オイル交換日をGoogleカレンダーに入れて通知する」など、
スマホで管理する方法もあります。
記録しておけば、いつ交換したかすぐ確認できますし、うっかり忘れ防止にもつながります。

僕はトリップメーター+Googleカレンダーの通知で管理してるよ。
どっちか片方忘れても安心なんだよね!
※「ちょっと面倒」と感じる方は、無理に使う必要はありません。
自分に合った管理方法が一番です。
6. 最後に
エンジンオイルは、車を長く・安全に乗るために欠かせない存在です。
近年の車はセンサーや電子制御が多く、オイルの劣化ひとつで警告灯が点灯したり、
重大なトラブルに発展するリスクもあります。
でも、定期的にオイル交換をしていれば、軽自動車でも20万km以上走れる時代です。
特別な整備スキルがなくても、オイル管理だけは運転手自身でも守れるメンテナンスのひとつです。
オイル交換を長期間放置すると、やがてエンジンから異音がしたり、加速が鈍くなったりと異常が現れます。
これは、エンジン内部の金属同士が直接こすれ合っている状態。
いったん摩耗が始まると、もう“元に戻すこと”はできません。

高速道路上で白煙を上げて止まっていた車をレッカーしたら、エンジンの横からピストンが飛び出してた…!

もっと怖いのは、その隙間から漏れたオイルやガソリンが熱を帯びたマフラーにかかって、車両火災にまで発展したケースもあるよ。

オイル管理って、エンジンだけじゃなくて“命”まで守るってことだね…。
オイル交換は、「エンジンを守る」だけじゃなく、「自分と家族を守る行動」でもあります。
ディーラーや整備工場でのオイル交換は、予約や待ち時間が面倒に感じるかもしれません。
でもたった30分の作業で、エンジントラブルをグッと減らせると思えば、時間をかける価値はじゅうぶんありますよね。
それでは、安全で快適なカーライフを!また次の記事でお会いしましょう^^ノシ