車のフロアマットは重ね敷きNG!事故を防ぐ安全な使い方と選び方

shiningarrow3725@gmail.com
てつじ
てつじ

車のフロアマット、重ねて使ってない?

実はそれ、重大な事故につながる危険な使い方かもしれません。

ブレーキやアクセルにマットが干渉し、「ブレーキがきかない」「加速が止まらない」といったトラブルが実際に発生しています。
私は15年以上レッカー対応をしていますが、フロアマットが原因の事故を何度も見てきました。

Point
  • フロアマットが事故の原因になる仕組み
  • 重ね敷きや社外マットがNGな理由
  • なぜ「純正マット一枚」が最も安全なのか

この記事を読めば、今日からできる安全対策がわかります。
今すぐチェックして、安心・安全なカーライフを手に入れましょう。

1. フロアマットの重ね敷きは危険

1ー1. アクセルペダルにマットが乗ると暴走のリスクも

アクセルペダルにゴム製のマットが乗り暴走につながる
タイオン
タイオン

アクセルペダルってそんな簡単に引っかかる?

てつじ
てつじ

社外のフロアマットを正しく使わないと上の写真みたいになることがあるよ。
僕の実体験なんだけどね^^;

1-2. アクセルペダルの構造でリスクは変わる?

アクセルペダルは吊り下げ式とオルガン式がある

実は、アクセルペダルの構造によって「フロアマットが干渉するリスク」は変わります。

代表的なのが「吊り下げ式(画像左)」と「オルガン式(画像右)」の2種類です。

吊り下げ式(上部から出ているタイプ)

  • 多くの国産車に採用されている
  • ペダルが軽く操作しやすい
  • ただし軽い力でも反応するため、マットが少し触れるだけで誤作動の可能性がある
  • 修理代は安い

オルガン式(下部から出ているタイプ)

  • 外国車や一部の国産車(マツダ、トヨタなど)で採用
  • 足裏全体で踏めるため疲れにくい
  • ペダルが床に固定されているため、マットが干渉しにくく比較的安全
  • 埋込式なので水が入る恐れがあり、修理代も高い
タイオン
タイオン

つまり、吊り下げ式のほうがマットに触れるリスクが高いってことか!

あなたの車のペダル構造がどちらか、ぜひ一度確認してみてください。
特に吊り下げ式+重ね敷きは、もっともリスクが高い組み合わせです。

1-3. フロアマット暴走を防ぐ安全装置とは?

アクセルペダルにフロアマットが引っかかって、ペダルが戻らなくなる。
そんな最悪の事態を防ぐため、最近の車には暴走を抑えるための電子制御装置が搭載されています。

代表的なのが「ブレーキオーバーライドシステム」と呼ばれる安全機能です。

これは、アクセルが踏まれている状態でも、ブレーキを強く踏み込むとアクセル操作を無効にするという仕組み。

つまり、マットが原因でアクセルが戻らなくなっても、ブレーキを踏めば車が止まるようになっています。

豆知識

この機能が普及するきっかけとなったのが、2010年にアメリカで起きた「プリウスの暴走事故」でした。

当初は車両の欠陥が疑われていましたが、のちに運転者の操作ミスや意図的な行動であったと報道されます。

この事件を受けて、自動車メーカー各社は安全機能の強化に本格的に取り組みはじめました。

てつじ
てつじ

この装置があればアクセルペダルにフロアマットが乗ってもブレーキを踏めば安全に止まることが出来るね!

2. クラッチが早く減る原因はマット?踏み込み不足が与える2つのダメージ

MT車のクラッチペダルは、エンジンの力をミッションへ伝える重要な役割を担っています。
ところが、フロアマットを重ね敷きすると、ペダルの踏み込み量が制限され、**完全にクラッチが切れない「半クラッチ状態」**が発生しやすくなります。

そのまま走行を続けると、ギアやクラッチ部品に深刻な負荷がかかってしまいます。

てつじ
てつじ

ここはMT車特有のリスクだよ!AT車は3章を参照!なんちゃって^^

2ー1. ミッション内のギアを痛めてしまう

ミッション内のギアを痛めてしまう

半クラッチ状態でギアチェンジをすると、クラッチが十分に切れていないままミッションが動くことになりギア同士がスムーズに噛み合わずミッション内部に傷がつく可能性があります。

とくに、クラッチペダルの下にマットが入り込んで完全に踏み込めていない状態では、「ギアが入りにくい」「ゴリッとした感触がある」といった症状が出てくることがあります。

窓ガラスで例えると

完全に閉まりきっていない窓に鍵をかけようとすると、引っかかってスムーズに動きませんよね。

無理に動かせば、鍵が削れたり壊れたりします。クラッチとミッションの関係もこれと同じです。

2ー2. クラッチの摩耗が早まり、交換時期が短くなる

クラッチプレートの摩耗が多くなる

半クラッチ状態が続くと、クラッチディスクが常に滑って摩耗が早まります。

踏み込みが足りないままのシフト操作は、本来よりも早くクラッチを寿命に追い込みます。

靴のソールで置き換えて見よう

足をしっかり上げずにズリズリ歩くと、靴底のソールがすぐにすり減ってしまいます。
クラッチも同じで、ちゃんと踏み込まずに使うと、摩擦ですぐに減ってしまいます。

補足:クラッチ交換は部品代+工賃で高額になる

ちなみに、クラッチ交換は以下の3点をまとめて交換するのが基本です。

クラッチの交換部品は3つ

1.クラッチディスク
2.クラッチカバー
3.レリーズベアリング

てつじ
てつじ

全部消耗品だからまとめてやってもらおう!

車種にもよりますが、一般的なFF車ではエンジンやミッションの脱着作業が必要なため、工賃込みで4~6万円程度が相場です。
修理費が高額になりやすいので、予防が何より大事です。

てつじ
てつじ

スポーツカーは一般車両の2〜3倍高くなると思ったほうが良いかもね

3. ブレーキが踏み込めず効かない!マットのズレが引き起こす危険とは

どちらのペダルも踏み込めない状態

3-1. ブレーキペダルが踏み切れず停止できないリスク

ブレーキペダルも、クラッチペダルと同様にフロアマットによる干渉のリスクがあります。

マットがズレてペダルの下に入り込むと、奥までしっかり踏み込めなくなり、ブレーキの効きが弱くなる
最悪の場合、停止できずに衝突してしまう可能性すらあるのです。

さらに、ブレーキの踏み込みが不十分だと「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」が正常に作動しなくなることも。

ABSってなに?

・ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)

ABSは急ブレーキ時にタイヤのロック(スリップ)を防ぐ装置。
ブレーキ圧を自動で制御し、車の制動距離を短くしつつ、ハンドル操作を可能にします。

ABSの動作には、ある程度しっかりとした踏み込みが必要です。
つまり、マットによってブレーキ操作が制限されると、安全装置すら機能しない場合があるのです。

3-2. AT車ではクリープ現象との組み合わせがさらに危険

AT車やCVT車では、「Dレンジ」に入れているだけで車がゆっくり前進するクリープ現象があります。

マットのズレによってブレーキの効きが不十分だと、
意図せず車が動き出して接触・追突するリスクが生まれます。

クリープ現象ってなに?

AT車・CVT車で「D」に入れたとき、アクセルを踏まずに車が前に進む現象のこと。
渋滞や駐車時に便利ですが、ブレーキがしっかり踏めていないと事故の原因になります。

3-3. MT車でもAT車でも、基本は“ブレーキ操作を妨げないこと”

クラッチがあるMT車、クリープ現象のあるAT車。どちらの車でも、
フロアマットがペダル操作を邪魔しない状態こそが、安全運転の基本です。

実際、自動車メーカーや整備士だけでなく、公的機関もこの問題に警鐘を鳴らしています。

たとえば、国民生活センターが実施した調査では、
社外品フロアマットのズレによりアクセルペダルが戻らなくなるなどの不具合が発生することが確認されました。

この調査では、「マットの固定不足やサイズ不一致によって、ペダル操作に支障をきたすリスクがある」と明言されており、
フロアマットの選び方や使い方が、いかに安全性に直結するかが示されています。

※参考資料:国民生活センター「乗用車用フロアマットのアクセルペダル等への影響に関する調査結果」
https://www.cao.go.jp/consumer/doc/100331_shiryou3.pdf

一見ズレていないようでも、実際にペダルを奥まで踏み込んでみると干渉していることがあります。

てつじ
てつじ

エンジンを止めた状態でペダルを踏み込んで、違和感がないか確認しよう!

4. 危ないフロアマットの使い方を確認

ぼろぼろになった社外マット

フロアマットの使い方を間違えると、ブレーキやアクセルの操作に支障をきたし、重大な事故につながる危険性があります。

普段意識していないだけで、身近なマットの使い方に落とし穴が潜んでいるかもしれません。

ここでは、実際によく見られる「危険なフロアマットの使い方」を4つ紹介します。
ひとつでも当てはまるものがあれば、すぐに見直しましょう。

4ー1. フロアマットの「重ね敷き」は事故の元!ズレや厚みが危険

複数のフロアマットを重ねて使うと厚みが増すだけでなくズレやすくなり、ペダルの下に入り込むリスクが高まります。

とくに危険なのは以下のような状況です:

  • アクセルが奥まで踏み込めず、坂道で加速できない
  • ブレーキが最後まで踏めずクリープ現象で意図せず前進 → 追突事故
てつじ
てつじ

フロアマットは1枚にして、必ず固定具でしっかり留めるのが大事だよ!

4ー2. サイズの合わないマットはペダルとシートに干渉する

汎用品や安価なマットの中には、車種に合わないサイズのものもあります。
これらは運転席の足元でズレたり、ペダル操作を妨げることがあります。

また、マットの端がシートレールに干渉してスライドできなくなると、正しい運転姿勢を取れなくなり、腰痛や疲労の原因にも。

てつじ
てつじ

車種専用設計のマットを選ぶのがベスト!要は純正が一番!

4-3. 劣化したゴムマットは滑りやすくなる

ゴム製フロアマットは、経年劣化によって硬化やひび割れを起こしやすくなります。
表面がツルツルになると、足が滑ってペダルを踏み損ねることも。

特に社外品の安価なゴムマットでは、素材劣化が早いという報告もあります。

てつじ
てつじ

防汚目的のマットがぼろぼろに。逆に汚れて見えるよね。

4ー4. タオルや布を代用マットにするのは非常に危険

まれに、タオル・毛布・カーペット用の布をフロアマット代わりに敷いている車も見かけます。

これは非常に危険で、

  • 生地が足に引っかかる
  • 丸まってペダルの下に入り込む
  • ブレーキやアクセル操作に支障をきたす

といったリスクがあります。

てつじ
てつじ

危険と隣り合わせだから、運転席はスッキリしよう!

5. まとめ

これまで紹介してきたように、フロアマットの使い方次第で、アクセル・ブレーキ・クラッチの操作に支障が出て重大な事故につながる危険性があります。

重ね敷きや規格違い、劣化したマットやタオルの代用など、ちょっとした油断がペダル操作を妨げる原因になるのです。

だからこそ、運転席には純正のフロアマットを一枚だけ、正しく装着することが最も安全で確実な対策です。

純正マットが最適な理由
  • ズレにくい車種専用設計
  • 固定具でしっかり固定できる
  • ペダルやシートの干渉を防げる
  • 劣化しにくく、長持ちする素材

純正マットは、車種ごとのフロア形状に合わせて作られており、走行中にズレたり丸まったりする心配がありません。
特に、ペダル操作の邪魔をしない形状と、ズレ防止フックの存在が大きな安全ポイントです。

「たかがマット」と思わず、安全運転を支える“足元の装備”としてしっかり選ぶことが大切です。
今すぐ一度、自分の車のマットをチェックしてみてください。

5ー2. おまけ:マットを装着しないと穴が開く

タイオン
タイオン

極端な話、マットを付けなければ安全だし節約にもなるよね

てつじ
てつじ

マットを付けないとカバーが破けちゃうんだよね

フロアマットには「汚れ防止」以外にも、見逃しがちな快適性や安全性への効果があります。

特に以下のような役割は、日々の運転を快適かつ安心にしてくれる大切なポイントです。

マットの意外な役割
  • 車内の汚れを防ぐ
    • 靴の泥・砂・水分などを受け止め、床の劣化やニオイを防ぐ。
  • 遮音・振動吸収で静かな車内を保つ
    • 足元からのノイズや振動を吸収し、長時間のドライブでも快適。
  • 足の疲労を軽減する
    • クッション性のある素材は、長距離運転での足裏の負担をやわらげる。
  • 外気温(熱・冷気)を遮断する
    • 床下から伝わる冷気・熱気をカットし、足元の快適さをキープ。

マット1枚でここまで快適性と安全性が変わるのなら、見直さない手はありません。

ぜひ今一度、ご自身の車に合ったマットを選び、正しく装着してみてください。

てつじ
てつじ

純正マットはヤフオクメルカリで手に入れよう!僕も中古の純正マットを使っているよ!

記事URLをコピーしました