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ガソリン車がリチウムイオン化しない4大理由|国産メーカーが踏み切れない真相を徹底解説

shiningarrow3725@gmail.com

リチウムイオンバッテリーって軽くて高性能なイメージがありますよね。
でも実際には、ガソリン車では今も鉛バッテリーが主流なんです。

「なんで国産メーカーはリチウムを使わないの?」
そんな疑問を持った方に向けて、この記事ではその理由をわかりやすく解説します。

メーカーが慎重になる理由は、次の4つです:

理由4選
  1. コストが高い
  2. 万が一の事故が怖い
  3. 車の設計が鉛前提になっている
  4. ユーザーは“安さと安心”を重視している

ちょっと意外に感じるかもしれませんが、これらはどれも納得のいく理由ばかり。
この記事では、国産メーカーの視点からそれぞれの背景を丁寧に掘り下げていきます。

ぜひ最後まで読んでみてください。

1. 製造コスト・維持コストの壁が高すぎる理由

リチウムイオンバッテリーの製造コストの壁

リチウムイオンバッテリーがガソリン車で普及しない理由のひとつは、コストの高さです。メーカーが量産に踏み切れない事情を見ていきましょう。

1-1. 製造コストが高い(材料費・工程費)

リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーに比べて材料費も工程も高くつきます。安全性や耐久性を確保するには、製造工程が複雑になるため、コストが上がってしまいます。

そのため、メーカーとしては現実的な価格では作れず、採算が取りづらくなってしまいます。

1-2. 大量生産体制を築くリスクが高い

リチウムバッテリーの製造には、専用設備と厳しい品質管理が必要です。ただ、ガソリン車向けの需要は今のところ限られており、投資しても回収できる見込みが立ちにくいのが現状です。

結果として量産効果(スケールメリット)が得られず、価格も下がらず、高いままになってしまいます。

てつじ
てつじ

通常のバッテリーに比べて2〜3倍の販売価格になるから、それに見合った恩恵がないと手が伸びないよね!

2. 万が一の事故リスクが高すぎるため採用できない

リチウムバッテリー火災のイメージイラスト

バッテリーは車の安全に関わる重要な部品です。メーカーがリチウム採用に慎重になるのは、性能だけでなく、トラブル時のリスクが大きいからです。

2-1. 発火・爆発リスクとNFPAデータ

リチウムバッテリーは、内部でショートしたり過充電が起こったりすると、熱暴走につながる可能性があります。NFPA(全米防火協会)のデータでも、発火や爆発のリスクが指摘されています。

鉛バッテリーに比べてエネルギー密度が高いため、トラブル時の影響が大きくなるのが特徴です。

2-2. 信用失墜とリコールリスク

万が一の事故で火災が発生すれば、リコールや損害賠償が発生し、メーカーの信用にも大きなダメージを与えることになります。

ガソリン車のように販売台数が多い車種ほど、1件の事故による影響が大きくなるため、リスクのある技術には慎重にならざるを得ません。

てつじ
てつじ

モバイルバッテリーも落としただけで発火するなら、交通事故ならもっと頑丈に作らないとね!

3. 鉛バッテリー前提の車両設計がリチウム化を阻む

選ぶなら鉛バッテリー

ガソリン車の多くは、もともと鉛バッテリーを前提に設計されています。

そのため、リチウムに切り替えるにはさまざまな変更が必要になります。

3-1. 充電制御が鉛前提である問題

ガソリン車に搭載されているオルタネーター(発電機)は、鉛バッテリー向けの電圧制御になっています。リチウムにそのまま載せ替えると、過充電やBMSとの相性問題が起きやすくなります。

リチウムバッテリーは温度管理や電圧制御が非常にシビアで、セルのバランスや保護回路も含めて細かく調整する必要があります。

3-2. 設計変更による開発コストの増大

リチウムを採用するには、バッテリーだけでなく電装系や冷却系の設計も見直す必要があります。加えて保証条件や検証項目も増えるため、開発コストが膨らみます。

このように、単なる載せ替えでは済まず、車両全体への影響が大きいため、メーカーが踏み出せない理由のひとつになっています。

てつじ
てつじ

車のセンサーは電気の変化に敏感だからリチウムに対応したセンサーを作り直さないといけないんだ

4. 高性能でも売れない現実──市場が求めるのは「安さと安心」

必要なのはやすさと安心

リチウムバッテリーは性能面では優れていますが、市場で求められているのは「ちょうどいい性能と安心感」です。

4-1. ライフサイクルコストと販売価格のギャップ

たしかにリチウムは長寿命ですが初期価格が高く、鉛の数倍になることもあります。長く使えばお得でも、購入時の価格がネックになることが多いです。

特に軽自動車や通勤車など、コストを抑えたいユーザーには選ばれにくいのが現状です。

4-2. 安心・実績・普及率の壁

鉛バッテリーは長年使われてきた実績があり、多くの人にとって「安心できる選択肢」です。

リチウムバッテリーはまだ普及率が低く、特定の車種や用途に限られているため、抵抗感を持たれやすいのも理由のひとつです。

てつじ
てつじ

新しいもの好きが多いと販売は市場は活発になるけど、日本人は保証や安全が好きだからね

📝 まとめ:なぜ国産メーカーはリチウムイオンバッテリーを作らないのか?

ここまで解説してきたように、ガソリン車向けリチウムイオンバッテリーが普及しない理由は、単純なコスト問題だけではありません。

まとめ
  • 製造・維持の両面でコストの壁が高い
  • 万一の事故リスクが高く、メーカーの信用問題に直結する
  • 車両設計そのものが鉛バッテリー前提で作られている
  • 市場ニーズも「安さと安心」を重視している

これらすべての要素が絡み合い、現時点ではガソリン車市場リチウムイオンバッテリーが適していないという結論に至ります。

リチウムイオンバッテリーそのものは、今後の技術進化やコストダウンによって、大きな可能性を秘めています。

しかし、「現状では鉛バッテリーが最適解」という選択は、国産メーカーにとってきわめて合理的な判断でありユーザーにとっても安心できる選択肢となっているのです。

未来に向けた技術革新に期待しつつ、今は自分の車に合った信頼できるバッテリー選びをしていきましょう。

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