【要注意】収れん火災は夏だけじゃない!車内ペットボトルが火種になる理由と対策


以前、知人の車のガラスが割られたことがあって、警察の話ではペットボトルが原因って言われたんだ

車両火災になるときもあるから、ガラスが割れるだけで済んで良かったね^^;
車内にペットボトルを放置してたら車が燃えた――そんなウソみたいな話、実際に起きてます。
この現象は「収れん火災(しゅうれんかさい)」といって、太陽光が透明な容器をレンズのように通って一点に集中し、発火する火災のこと。
整備士として15年以上現場にいますが、「シートが焦げた」「内装が溶けた」と何度も相談を受けたことがります。
特に最近の暑さもあり、ペットボトルやガラスの小物を積んでる人は要注意です!
この記事では、そんな収れん火災のことを「整備士てつじ目線」でわかりやすく解説していきます。
意外と身近に起こる車両火災を防ぐためにも、さっそく確認しましょう!
1. 収れん火災とは? – 太陽光×透明容器で起きるレンズ現象
1-1. 収れん火災のメカニズム

「収れん」とは、“光を一点に集める”って意味。
昔、小学生のときに虫眼鏡で紙を焦がす実験やった人も多いと思いますが、あれとまったく同じ原理です。
透明なペットボトルの中に水が入ってて、それが太陽光を受けると、光がぐにゅっと曲がって一点に集まる(焦点)
その焦点の先に紙や布、プラスチック素材などがあると、燃えたり溶けたりします。
特に車の中は密閉空間で熱がこもりやすいから、収れん火災が起きやすいんです
1-2. 夏限定じゃない? → 冬も油断はできない

収れん火災は、あっつい夏だけの話でしょ?
って思われがちですが、冬の朝や夕方も油断できません。
理由は、太陽の高さが低くなるから。
角度が浅いぶん、太陽光が車内の奥まで差し込んできて、シートやフロアの隙間に光が集中しやすくなるんですよ。
実際、消防でも「収れん火災は夕方や冬の方が比較的多い」と発表していて、
朝の出勤時や西向き駐車場の夕方はかなり危ない時間帯です。
参考資料:福島県いわき市消防本部(2023年12月14日更新)
2. 実際にあった車両火災例と被害額

2-1 静岡の事例:ペットボトルで車が全焼
2024年7月、静岡県浜松市の青空駐車場で、車内に置いてあった水入りペットボトルが原因とみられる車両火災が発生。
当時の気温は真夏日で、車内温度は50℃以上、ダッシュボード表面は80℃超になっていたと推定されています。
消防も、収れん火災の可能性があるとして注意喚起を行っており、身近な物が火種になり得ることがあらためて明らかになった事例です。
引用:日テレNEWS
2-2 車両保険に入っていれば車両火災もカバー


もし収れん火災で車が燃えてても車両保険カバー出来るの?
収れん火災でも、車両保険に入っていれば原則カバーされます。
いわゆる「車両火災」は、偶発的な事故=対象内って扱いです。
もちろん、ペットボトルを置きっぱなしにしてても「重大な過失」にはなりません。
ただし、注意点もあります。
車が全焼して修理できないレベルなら、全損扱いで車両保険金(時価)まで支払われるので、加入している人はぜひ相談してみてください。
2-3. 収れん火災っていつ起きやすいの?住宅も家も一緒!

といってもペットボトルで車が燃えるなんて、かなりレアなんじゃない?
たしかに、車内での収れん火災は件数としては少ない方ですが、実は住宅火災の中では“収れん”が原因の火災が毎年のように起きてるんですよ。
たとえば、
こういったものがレンズになって日光を集め、カーテンや棚が燃える――そういう事例が全国で報告されています。
消防や消費者庁の統計でも、5月〜10月の晴れた日や、冬の朝・夕方の時間帯に多い傾向がはっきり出ています。
つまり、【光が強くて】【レンズになる物】【燃えやすいものが近くにある】
この3つがそろえば、家でも車でも火が出る条件は変わらないってことです。
3. 収れんを引き起こすアイテムとは?

収れん火災怖いな!どんなものが原因になるの?
収れん火災につながった実例のある物と、条件次第で火種になり得る物に分けて紹介します。
3-1. 実際に火災を引き起こしたアイテム

以下のような物が、実際に火災の原因になった事例があります。
特徴としては、「透明」「丸い」「光を通す」といった条件がそろったものが多いです。
しかも、水やガラスを使っている日常的なアイテムばかりなので、車や家の中に普通に置かれててもおかしくないんですよね。

車用の芳香剤もガラスで作られた商品があるから注意が必要だね!
3-2. 出火の可能性あるかもしれないアイテム

こちらは、実際に火災まで至った報告は少ないものの、「レンズ効果が起きる条件」は満たしているものたちです。
共通するのは、透明・曲面・反射面など、光を一点に集めやすい形状や素材。
つまり、うまく焦点が合ってしまえば「いつ火を出してもおかしくない」存在です。
特に、ダッシュボードの上やフロントガラス付近など、直射日光を受けやすい場所に置いてある場合は要注意。

窓の近くでメガネを吊して収納すると収れんに繋がる可能性があがるね!
4. 収れん火災を防ぐアイテムの紹介
4-1 サンシェードで光を遮断!
サンシェードは【吸盤式】【スクロール式】【傘型のワンタッチ式】などをよく目にしますが、私がおすすめするのは、【傘型のワンタッチ式サンシェード】
ワンタッチ式を推す理由は、設置も片付けも10秒で終わり、フロントガラスを汚すこともなく「実にスマート」だからです笑
僕自身も使っている【セイワ】さんのサンシェードは遮熱効果が高いことはもちろん。傘の骨の先端が曲るがので日の光を最小限に抑えてくれるだけではなく、室内も傷がつかないことも嬉しいですね!


ちなみに【吸盤式】【スクロール式】はこんな理由でおすすめしたくないんだ↓↓

サンシェードは横窓用もあるよね。
全窓につけることでセキュリティーアップにつながるぜ!
4-2 ペットボトルにはカバー!もしくは水筒にいれよう!
ペットボトルに入った陽の光が収れんによって火災の原因になってしまうのならカバーを付ければよし!
理想は【保冷・保温・ソフトカバー】この条件で探すと良いと思います。
保冷・保温はもちろんなんですが。
プラスチックで作られたハードケースはフタを開けるのが難しい商品が多いので、手の力で固定しやすい布でできたソフトケースがオススメです。


ちなみに僕は、水筒派だよ^^
洗うのは面倒なのですが、保温・保冷の性能はペットボトルカバーより格上ですからね^^b
ワンタッチ式でキャップが開き、出口は小さめが理想です。
出口が小さいと熱い飲み物が急に出てこないので火傷防止になり、冷たい飲み物のときは氷が出てこないので保冷を持続することが出来ます。


500mlあれば自販機の飲み物を直接入れられるね^^
6. まとめ
ペットボトルひとつで車両火災が起きるなんて想像出来ませんよね。僕も現場を見るまでは信じられませんでした。
改めて”原因と対策”を復習しよう
収れん火災は年中起きる可能性がありますが、晴れた日には特に注意が必要ですね。
また車内に燃えやすい物を置かないことも大事です。
「まぁ大丈夫かな」と思いがちですが、僕の半径15㎞圏内で3件は収れんによる車両火災が発生しています。
ちょっとした行動で車両火災を防ぐことが出来ます。まずは車内をキレイにするところから始めてみましょう^^

ちなみに、コーラのような黒い飲み物は光を通さないけど、熱を吸収して爆発するから注意が必要だよ^^