積雪で立ち往生…車内で仮眠する前に!マフラー周りの雪かきを忘れずに

冬になると、積雪による高速道路の立ち往生が全国各地で発生します。
除雪が間に合わなかったり、追突事故が連鎖したりと、原因はさまざま。
中には「車内で8時間以上待機した」というケースもあります。
そんな中、エンジンをかけて暖を取るのは当たり前のこと。
しかし、その行動が一酸化炭素中毒を引き起こす“命に関わるリスク”になることもあるのです。
特に危険なのが、マフラー付近が雪で塞がれている状態でエンジンをかけること。
排気ガスの行き場がなくなり、最悪の場合、車内に有毒な一酸化炭素が充満してしまいます。

排気ガスって、行き場がないと車体の下とかエンジンルームにこもって、 配線のすき間とかから車内にじわ〜っと入り込んでくるんだよね。
完全密閉じゃないから、思ってるよりガスって入ってきやすいんだよ。
では、なぜ積雪によって車内に排気ガスが入り込むのでしょうか?
この記事ではその仕組みと、車内で安全に過ごすためのポイントを解説します。
1. 排気ガスは車の下を通って室内に入り込む
1-1. 雪に囲まれると排気ガスの逃げ場がなくなる

大雪や吹雪で立ち往生すると、車のまわりはすぐに雪に埋もれてしまいます。
この状態でエンジンをかけると、マフラーから出る排気ガスは大気中に拡散できず、車の下に溜まり始めます。
1-2. 外気吸入口から車内へ侵入するリスク

溜まった排気ガスは、ワイパー下の「外気導入口」から車内へ入り込む恐れがあります。
ここは、エアコンの「外気導入モード」で空気を取り込む入口であり、フロントガラス下にある黒いカバー(ワイパーカウル)の内側にあります。

じゃあエアコンを内気循環にすれば安心?

リスクは減るけど、車って意外とすき間が多いから絶対安全とは言えないんだよね。
1-3. 車体の構造が排気ガスを車内へ導いてしまう
車の下は完全に平らではなく、車の床下はマフラーやシャフトを通すためにくぼみや傾斜がある。
この構造が排気ガスをマフラーからエンジンルームへ流すルートになりやすく、
そのまま車内へじわじわと入り込んでしまうこともあるのです。
一酸化炭素の致死量は?
排気ガスには一酸化炭素が含まれていますが、ほとんどはマフラーの途中についている触媒コンバーターによって大幅に削減されています。
しかし一酸化炭素は少量でも命の危機に関わります。
空気中の一酸化炭素濃度が約0.1%(1000 ppm)を超えると数時間の吸入で中毒死する可能性があります。
死亡に繋がらなくてもなにかしろ後遺症が残ります。
そして一酸化炭素の厄介なことが、無色・無臭のガスってことです。
なので気が付かないうちに吸い込んでしまうことがあります。
初期症状は「めまい」「頭痛」などが挙げられます。
これらの症状が出た場合は急いで車内の換気または外に出てください。
症状が重い場合は救急車を呼んでください。

冬のキャンプで石油ストーブ使うけど、これも一酸化炭素でるから危ないんだ。だから換気したりCOチェッカーを使って気をつけているんだよ。
2. 一酸化炭素の致死量と危険性

車の排気ガスには、命に関わる有毒ガス「一酸化炭素(CO)」が含まれています。
通常、マフラー内部には「触媒コンバーター(排気ガス浄化装置)」が搭載されており、この装置によって一酸化炭素の量は大幅に削減されています。
とはいえ、完全に除去されるわけではなく、微量でも密閉空間に充満すれば非常に危険です。
2-1. 一酸化炭素の致死量は?
- 空気中の一酸化炭素濃度が “0.1%(1000ppm)” を超えると、
数時間の吸入で中毒死の危険があります。 - さらに濃度が高い状態(例:4000ppm)になると、数分で命に関わるケースも。
死亡に至らなくても、脳や神経系への後遺症が残ることがあり、記憶障害や注意力の低下などが報告されています。
2-2. 一酸化炭素の特徴は「気づけない」こと
一酸化炭素は、無色・無臭・無刺激のガス。
そのため、気づかないうちに体内へ取り込まれてしまうというのが一番の怖さです。
車内のように密閉された空間では、わずかな量でも時間とともに蓄積し、中毒を引き起こす可能性があります。
2-3. 初期症状とすぐできる対応
もし、以下のような症状が現れた場合は注意が必要です。
- めまい・吐き気
- 頭痛・集中力低下
- 顔の火照りや倦怠感
このような症状が出たらすぐに車内の換気を行い、可能なら外に出てください。
症状が重い場合は、迷わず救急車を呼びましょう。

室内で石油ストーブを使うときも、一酸化炭素には要注意!
3. 立ち往生時に車内で安全に仮眠するためのポイント
吹雪や大雪で身動きが取れないとき、エンジンをかけて暖を取りながら仮眠をとる方も少なくありません。
しかし、その行動が一酸化炭素中毒のリスクを高める場合があるため、正しい知識と対策が必要です。
以下の5つのポイントを意識すれば、車内でもより安全に過ごせます。
3-1. マフラー周辺の雪かきを最優先
仮眠前には、必ずマフラーのまわりの雪を取り除くようにしましょう。
マフラーの出口が塞がれると排気ガスが車体下にこもり、車内への逆流リスクが高まります。
30分おき〜1時間おきに確認するのが理想ですが、天候が落ち着くまではこまめに様子を見ましょう。

車高が低い車はマフラーの位置も低くなるから注意が必要
3-2. 内気循環モードに切り替える
エアコンを使用する際は、「外気導入」ではなく内気循環モードに設定しましょう。
外気モードにしていると、外部からの排気ガスをそのまま車内に取り込んでしまう可能性があります。
ただし、内気循環でも完全にシャットアウトできるわけではないため、油断は禁物です。
3-3. 窓を1cmほど開けて換気する
完全に密閉された車内では、少しずつ排気ガスが侵入してくる可能性があります。
運転席や後部座席の小窓をほんの少し開けておくだけでも、ガスの滞留を防ぐ効果があります。

冬空の下で寒いかもしれないけど命には変えられないよね
3-4. 深く眠りすぎず、体調チェックの時間を設けよう
数時間にわたる仮眠は危険です。
最低でも1時間に1回は目を覚まし、外の様子や自分の体調を確認しましょう。
スマホのアラーム機能や、30分タイマーで短い仮眠を繰り返す方法もおすすめです。
3-5. COチェッカー(警報器)を活用する
一酸化炭素は目に見えないからこそ、センサーでの“見える化”が非常に効果的です。
市販のCOチェッカーは数千円で購入でき、車内に常備しておけば万が一の時にも音で知らせてくれます。

命を預けるものだから「認証」を受けている商品を買おうね
最後に:冬のお出かけは“備え”が命を守る
排気ガスに含まれる一酸化炭素は、マフラーに備わる触媒コンバーターで大幅に浄化されます。
しかし、100%除去できるわけではありません。
特に以下のような場合は注意が必要です:
- 触媒が劣化している古い車
- 社外製のマフラーに交換している車
- アイドリング時間が長くなりやすい冬季
一酸化炭素のリスクは目に見えないからこそ、“念のため”の備えが命を守ります。
エンジンをかける前には、マフラーまわりの積雪を確認して除雪。
そして、エンジン稼働中も定期的に車の下やまわりに雪が溜まっていないかをチェックする必要があります。
——これをこまめに繰り返すのが、安全に暖を取るための鉄則です。

注意!
エンジンを止めたまま「電源ON+暖房送風」すると、バッテリーが上がる原因になるからNGだよ!
冬の道路では、いつ・どこで立ち往生するかは誰にも予測できません。
だからこそ、「知識」と「備え」が命を守る力になります。
このブログでは、冬季トラブルや安全に走るための実践知識をわかりやすく紹介しています。
ぜひ今後も、カーライフのパートナーとしてご活用ください!
それでは今日も安全運転で。素敵なカーライフを^^