ウォッシャー液に水道水だけ入れていませんか?|凍結・油膜・トラブルを防ぐ正しい使い方と選び方

shiningarrow3725@gmail.com

洗車のついでに水を補充、夏は水だけでOK・・・そう思ってウォッシャータンクに水道水だけを入れている方、意外と多いかもしれません。

てつじ
てつじ

その考え方、実は危険だよ!

筆者は15年以上、自動車の整備に携わってきましたが、
「ウォッシャー液を水だけで済ませた結果、タンクが破裂した」
「油膜が広がって視界が悪化した」
といったトラブルを、何度も目にしてきました。

ウォッシャー液はガラスの汚れ落とし油膜対策凍結防止など、多くの役割を担っている重要なアイテム。
適当に済ませると、視界不良や冬の事故の原因にもつながりかねません。

この記事でわかること
  • ウォッシャー液に水道水だけを使うとどうなるのか?
  • 凍結防止タイプ・撥水タイプの特徴と注意点
  • 冬や寒冷地で起こりやすいウォッシャータンクのトラブル
  • 整備士目線で選ぶ、おすすめのウォッシャー液と使い方

1. 油膜が視界を悪化させる理由とは?

フロントガラスに付着する汚れの中でも、特にやっかいなのが油膜です。

油膜とは、排気ガスの油分や雨に含まれる微粒子、コーティング剤の残りなどがガラスに広がってできる“薄い膜”のこと。

この油膜があると、ワイパーを動かしてもギラギラとした反射が残り、特に夜間や雨天時の視界に大きく影響します。

「ウォッシャーを使ってもよけいににじむ」「ワイパー筋が残る」と感じたことがある方は、おそらく油膜が原因です。

タイオン
タイオン

油膜のせいか夜のフロントガラスがギラギラで見えなくてウォッシャー液使っても綺麗にならなかった

てつじ
てつじ

実際のところウォッシャー液だけでは完全に油膜を除去することは出来ないから定期的な洗車必要になるね!

1ー1. 油膜の原因とウォッシャー液の重要な役割

水だけでは、こうした油膜や虫の死骸、黄砂などのしつこい汚れを十分に洗い流すことができません。
ウォッシャー液には洗浄成分(界面活性剤)が含まれており、こうした油性の汚れを落とすのに必要なものなのです。

特に走行中に付着した汚れは時間が経つと落ちにくくなるため、ウォッシャー液を適切に使うことで視界を常にクリアに保てます

1ー2. 洗浄力だけを求めるなら中性洗剤も選択肢?

市販のウォッシャー液が手元にない場合、応急処置として中性洗剤を1滴ほど水に加える方法があります。

食器用洗剤でも一時的には汚れを落とせますが、以下の点に注意が必要です。

  • 泡立ちすぎるとフロントガラスが見えにくくなる
  • アルコール成分がないため、凍結防止には使えない
  • 洗剤成分の残留でワイパーのビビリが出る可能性もある

あくまで夏場や非寒冷地での一時的な代替手段として活用しましょう。

個人的に一番効果があったのは「油汚れに〜JOY!」でした。

2. 凍結防止の落とし穴|ウォッシャー液を水で薄めてはいけない

「冬にウォッシャーが出ない」
「タンクから水が漏れている」
そんな相談の多くは、水道水だけを入れていたことで凍結→破損したケースです。

氷点下になると、タンクやホースの中の水が凍り膨張によって、破裂してしまうことがあります。

てつじ
てつじ

寒冷地では特に注意!


2-1. 寒冷地で多発するタンク破裂の実例

冬になると整備現場では、ウォッシャータンクが破裂した車両を毎年のように見かけます。
原因は、水道水を入れていたために凍結→膨張→破損という流れです。

下の写真は、タンク周辺のホースや配管の位置を示したものです。

ウォッシャー液は、エンジンルーム内のホースを通ってノズルへと送られますが、タンク自体は外気温の影響を強く受けやすい場所にあるため、冬場は凍結しやすくなります

特にホースや吐出口が凍ってしまうと、エンジンが温まるまでウォッシャーが出ず、走行開始直後の視界が確保できないというトラブルにつながります。

てつじ
てつじ

タンク交換は車種にもよるけど、高いと1万円ぐらいかかる場合があるよ!

2ー1. ウォッシャー液を薄めると性能が落ちる

市販のウォッシャー液には、「凍結防止温度 -30℃」などの表記がされています。
これは「原液で使った場合の最大性能値」です。

タイオン
タイオン

日本で「気温-30℃」なんでありえないでしょ!?
もったいないからじゃんじゃん薄めて使うぜ!

てつじ
てつじ

確かに「気温-30℃」はないけど、車は走るものだから風を受けることで「水温は-30℃」に近くなることがあるよ

例えば、無風時に60km/hで走ると、体感温度は約6℃下がると言われています。

しかもフロントガラス付近は常に走行風をまともに受ける場所。

天気予報で-10℃となっていても、車体前面はそれよりさらに冷えることを想定しておくべきです

補足

原液:水 = 1:2にしても、「ちょうど半分の性能」になるとは限りません。
アルコール濃度が急激に落ちるため、想定より早く凍ることがあるためです。

3.撥水タイプのウォッシャー液は扱いが難しい!?

市販のウォッシャー液には、「洗浄」「凍結防止」だけでなく「撥水」と書かれた商品もあります。

一見便利そうに見えますが、筆者の整備経験ではおすすめしにくい場面が多いのが実情です。

注意点

1.夏に使うとガラスの上で液体が焼けて跡が残る
2.ワイパーで拭き取れない「キワ」に汚れが固まる
3.汚れの上からコーティングしてしまい、油膜が強化される
4.少しでも水分が混ざると効果が低下することがある

撥水成分を含むウォッシャー液は、簡易コーティング剤に近い性質を持っています。

本来は「ガラスを洗浄 → 油膜除去 → 完全に乾かす → 撥水剤を塗布」という工程が必要ですが、ウォッシャー液ではそれを一気に済ませてしまうため、ムラやギラつきの原因になります。

夏の直射日光には特に注意

撥水剤がガラスに残ったまま日差しを浴びると、跡が焼き付きやすくなります
また、ウォッシャー液が垂れてボディに付着した部分が日焼け・変色するリスクもあります。

てつじ
てつじ

夏のガ◯コは最悪だった笑

まとめ|ウォッシャー液の使い方で視界が大きく変わる

今回の記事では、ウォッシャー液にまつわる
油膜対策・凍結防止・撥水タイプの注意点」について解説しました。

運転中、常に目に入るのがフロントガラス
このガラスの状態が悪いだけで、見えづらさ・事故リスク・疲れやすさが大きく変わります。

その管理の第一歩が、ウォッシャー液の選び方と使い方です。

まとめ

1.油膜が気になるときは、食器用洗剤をほんの少しタンクに加える(※夏場限定)
2.ウォッシャー液は自分の地域の最低気温を基準に選ぶ(希釈せず原液でもOK)
3.撥水タイプのウォッシャー液はトラブルになりやすいため基本は非推奨

やることはシンプルですが、やるかやらないかで安全性と快適性は大きく変わります。まずは手元のウォッシャータンク、ぜひチェックしてみてください。

それでは、素敵なカーライフをお楽しみください^^

記事URLをコピーしました